傘杉
鳳来寺山(瑠璃山684m)南腹にある真言宗煙巌山鳳来寺表参道途中の大杉。
表参道は、寺の南西、門谷(かどや)集落から、1425段の石段を登る。通して歩くつもりなら、それなりの覚悟が要る。ただし、傘杉までならば、全行程の5分の1弱。比較的気楽に訪ねることができる。
参道の周囲は、スギやヒノキなどの針葉樹。石段の間を根が露出している箇所も多い。目通り3mを超え、いわゆる「巨樹」の仲間入りした木がたくさん目につく。いったい全山に何本あるのだろう。そしてみな競い合って背が高い。
歩き始めて間もなく、慶安4年(1651)竣工の仁王門(国重文)が見えてくる。門に懸かる「鳳来寺」の額は光明皇后の染筆とか。
仁王門の先100mほどに傘杉が立っている。周囲には目通り5mほどのスギも見えるが、さすがに傘杉は別格。王者の風格だ。
鳳来寺山は古い火山群の南端にあたる。
1500万年ほど前にできたガラス質の「松脂岩(しょうしがん)」は風化浸食に強く、各所に突出し、また急崖を作っている。「鏡岩」「竜の爪跡」「鬼の味噌倉」など、名前を聞くだけで興味をそそられる奇景に富み、多分それが山全体を天然記念物に指定した第一の理由だと思うが、しかし若い風景も負けていない。前述のように、参道に沿って数え切れないほどの巨杉が並び、音為川(おとなしがわ)には無造作に巨岩が置かれている。
鳳来寺開山の利修は仙人だったという伝承も宜なるかなと思う。
プラン
基本情報
- 店舗名
- 傘杉
- 住所
- 新城市門谷
- アクセス